命の大切さって?

福井県の高校3年生が、テストをもらった直後に自殺した。なんとも痛ましいニュースである。「なんでテストの点数くらいで、、、」と思う人も多いかと思うが、彼にとって今回のテストは文字通り、死ぬほど大切だったのかもしれない。

生徒が自殺や殺人事件に関わると、学校側は必ず全校集会を開き、校長が「命の大切さ」について話をする。普段、命の「い」の字も語らない先生が、事件が起こると命について口を開く。その話がどの程度生徒の心に響いているんだろう。

僕が高校生の時に同じような話をされたら、おそらくこう思うだろう。「何をいまさら命の大切さなんて話してるんだろう。普段は命の話なんかより、テストの点数のことばっかり言うくせに。こんな話を聞かされても、どうせ明日からはまた勉強して、テスト受けて、いつもの生活なんだよなー」

こう思う僕はただの不真面目な生徒なんだろうか。先生からは、ただひねくれた子供に写るのだろうか。「校長先生がまじめに大切な話をしてるんだから、ちゃんと聞け」って言われるんだろうか。

命の大切さは話で伝わるものじゃない、と僕は思う。自分の命を大切に扱われ、他の命を大切に扱った経験を通して気づくものなんじゃないだろうか。自分の命を大切に扱われないで、人の命を大切にすることなんてできない。愛情を受けないで人を愛することはできないんだ。

僕はこう思う。命の話を所々でするのではなく、日頃から教師と生徒がお互いを大切にする気持ちが、子供たちに命の大切さを教えるんだって。まず教師が生徒を本気で大切にすれば、その気持ちは必ず生徒に伝わる。

校長先生、生徒に話をする前に先生に話をしていますか。「生徒一人一人の命を愛してください」と言っていますか。変わらないといけないのは、まず先生なんじゃないかと考えたことがありますか。