5年半が過ぎて

2000年の9月から日本語教師をさせていただき、今年でまる5年半が過ぎようとしている。実質、今日が教える最後の日で、後は金曜日の口答試験の監督と来週ある筆記試験の監督をするだけだ。あと1週間で、今の大学の日本語教師を引退する。

長かったようであっという間、、、という表現はよく聞くけど、本当にそうだったと思う。人前に立って教えた経験がないまま日本語教師のポジションを与えられ、試行錯誤しながら時間が過ぎていったように思う。今でも最初の授業を思い出すと、あの緊張感がよみがえってくる。日本語がまったくわからない学生と教えた経験のない日本語教師が同じ教室にいたあの瞬間は、どう言葉に表していいのかわからない。そのくらい、異様な瞬間だった感じがする。

また暴露話になるけど、日本語教師のポジションをもらえると知った時、僕は断ろうと思っていた。当時は修士課程を始めて2年目で、授業に必死についていっていた頃だった。本を読んでもわからないし、授業で何を言っているのかもわからないことが多かった。だから、日本語教師をしながら自分の勉強なんて絶対に無理だと思っていた。そう思っていたのに日本語を教え始めたのは、はじめからあきらめる自分が嫌だったからだ。とりあえずやってみよう。やってから続けるかどうか決めよう。そう思っていたのが、いつの間にか5年半も教え続けていた。

この機会のおかげで日本語教師としての経験が増えただけでなく、自分の可能性を広げることもできたと思う。元々自信があるほうじゃないんだけど、教えることによって自信が出てきたし、また何かあっても挑戦できるんじゃないかと思う。少しずつでも自分が成長していると信じたい。

今日、日本語の学生に「ありがとうメール」を出したら、何人かから返事をもらった。

一人は、「楽しく教えてくれてありがとう」。楽しかったのはこっちのほうだよ。

もう一人は、「先生のことはみんな忘れないからね」。忘れるに決まってるだろ。っつーか忘れてくれ。でも、ありがと。

もう一人は、「口答試験は何時からですか?」。お前は受けなくてよし。

本当にたくさんの経験と思い出ができた。今度日本語を教えられるのはいつだろう?早く卒業して、また日本語を教えられるようにならないとな。とにかく、これからは卒業できるようにがんばろう。

今までお世話になった先生方と一緒に学んできた学生達に心から感謝します。