夜中に音がする

夏になると怖い話をよく聞くようになるけど、僕の場合、聞くだけで話すことはあまりない。話すことがあったとしても、それは聞いた話を他の人に話すだけで、自分で怖い体験なんかしたことがない。でも、今日、たった今体験してしまった。今日はそんな僕がお送りする、今体験したばっかりの「あっちの世界ゾーン」(もどき)。

今日は朝から外出して、帰ってきたのは夜11時半過ぎ。気温が25度を越えたせいもあって、思ったより疲れていたらしい。12時過ぎには夢の世界に入り込んでいた。普段なら朝まで起きることはないんだけど、今日は物音で目が覚めた。

時計を見ると午前2時前。世間で言われている、丑三つ時である(なので、正確には9日に起こったできごと)。怖い話を聞くと、たいていこの時間に何か起こっている。なぜだかわからないけど、この時間帯に色々な怪現象が起こるらしい。そのことを知っていた僕は、ついに僕にもそれが起きたと思った。でも、そういう時によくある金縛りにはなっていなかった。内心、「よっしゃ、これならなんとかなる」と思ったんだけど、耳元40cmあたりで続いていた物音は、僕の恐怖心を確実に高めていた。

日本語には擬音語・擬態語が多いけど、それで表すと、「がさがさ」と箱をこするような音だった。最初は隣のリビングから音がするのかと思ったけど、この時間にリビングでルームメートが何かしているのはおかしい。そう思ってさらに耳を凝らしてみると、ベッドの横に置いてあるダンボールから音が聞こえてくるのがわかった。

そのダンボールには、日本から買ってきた食べ物が入っている。お菓子やインスタントラーメンなど、入っているものは様々だ。僕がとっさに思ったことは、「この食べ物が目当ての虫、もしくは小動物がダンボールに入り込んだんだろう」ということだった。でも、待てよ。このダンボール箱はほぼ完全に閉じられている。外から何かが入るのは不可能に近い。ということは、この音の主は食べ物の中からわきでてきた虫!?うげーーーーーーーーーーーっっっ!!

この時点で、「あっちの世界」の出来事じゃないなーと思ったんだけど、むしろ「あっちの世界」のほうがよかったかもしれなかった、、、、、。なぜなら、僕にはその箱を開ける勇気がなかったから。イコール、せっかく日本から持ってきた食べ物はあきらめるしかなかったから、、、、、もったいねーーーっっ

しばらくどうしようか迷っていたけど、とりあえずダンボール箱を叩いてみることにした。すると、しばらく音がしなくなった。・・・・・・・・・1分経過・・・・・・2分経過・・・・・・待っていると、再び音がし始めた。でも、今度は音がする場所がドア近くのビール箱に変わっていた。ってことは、音の主はダンボールの中にいたのではなく、外から音を出していたらしい。この時点で、日本の食べ物の安全を確保(いえーい)。

でも、音はすれど姿は見えず。「がさがさ」という音は確実に聞こえていた。

このままでは寝られないと思ってビール箱を動かしてみると、ようやく主が姿を現した。

かなぶん」ぢゃねーーーーーかーーーーーーーーーーーっっ!!!

とりあえず、気持ち悪い生き物でなくてほっとした。ゴキブリや「ごまだら」(注:佐賀県でかみきり虫のことです)じゃなくてよかったよ。

僕はそのかなぶんを部屋の外に追い出し、これはブログに書かなくてはと思い、夜中なのにパソコンの電源を入れたのでした。ちゃんちゃん。

追記:
もっと怖い話を期待してた人、すんもはん。でも、僕は怖かったんですよ。思わず、アメ人みたいに「わーーーーーおっ」って言っちゃったんですよ。その体験をシェアしたかったんだけど、僕の文章力ではうまく伝わらなかったかも、です。